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モデル

GLM(ChatGLM)とは

ChatGLM / Zhipu AI

Zhipu AI(智谱AI)が開発する、MITライセンスで公開される中国発のオープンウェイトLLMファミリー

LLMオープンウェイトスパースモデル

最終更新:

ひとことで言うと

Zhipu AI(智谱AI)が公開しているLLMシリーズ。GLM-4.5以降はMITライセンスで、コード生成やエージェント作業に強いモデルが中心になっている。

概要

GLMとは、中国のAI企業Zhipu AI(智谱AI)が開発する大規模言語モデルのファミリーを指す。 2023年6月にChatGLMとして対話モデルをオープンソースで公開し、2024年にはGLM-4系列を展開した。 2025年7月のGLM-4.5は総パラメータ355B・1トークンあたり32Bが活性化するMoEモデルで、思考モードと非思考モードを切り替えられるハイブリッド推論としてMITライセンスで配布された。 2026年2月のGLM-5は744B・40Bが活性化する規模へ拡大し、DeepSeek Sparse Attentionを採用して長文の推論コストを抑えている。 2026年8月のGLM-5.3はGLM-5.2と同じベースモデルを使いながらポストトレーニングを刷新し、Terminal Bench 3.0やAgents' Last Examで高い結果を出した。GLM-5.3-Flashは320B・18Bで、同シリーズ初のネイティブマルチモーダルモデルになる。 中国発のオープンウェイトモデルの代表例の1つで、QwenやDeepSeek、Kimiと並ぶ開発元として知られている。

背景

Zhipu AI(北京智谱华章科技)は、清華大学を母体として設立された中国のAI企業です。 初期のGLMとChatGLMの公開を皮切りに、言語モデルに加えて画像生成のCogViewや動画生成のCogVideoX、視覚言語モデルのCogVLMなども公開してきた。 2025年以降は言語モデルに軸を移し、GLM-4.5以降をMITライセンスで公開しながら、GLM-OCRやGLM-TTSのように用途別のモデルも揃えている。

歴史

2023年6月: 清华大学KEGとZhipu AIがChatGLMをオープンソースで公開した。 2024年: GLM-4を公開した。9Bと32Bの版、コード生成に強いChatGLM-4、128kのコンテキストに対応したGLM-4-9B-chat-1mを揃えた。 2024年8月: 動画生成モデルCogVideoXを公開した。 2025年4月: 推論特化モデルGLM-Z1を公開した。 2025年7月: GLM-4.5(355B/32B)と軽量版のGLM-4.5-Air(106B/12B)をMITライセンスで公開した。 2025年8月: 視覚言語モデルのGLM-4.5Vを公開した。 2025年9月: GLM-4.6を公開した。 2025年12月: コーディング向けのGLM-4.7、視覚言語モデルのGLM-4.6V、音声認識のGLM-ASR-Nano、音声合成のGLM-TTSを公開した。 2026年1月: 文書画像解析のGLM-OCRと画像生成のGLM-Imageを公開した。 2026年2月: GLM-5(744B/40B)をMITライセンスで公開した。 2026年4月: GLM-5.1を公開した。 2026年6月: GLM-5.2を公開した。1Mトークンのコンテキストに対応する。 2026年8月: GLM-5.3と、ネイティブマルチモーダル版のGLM-5.3-Flash(320B/18B)を公開した。

アーキテクチャ

GLM-4.5以降はMoE(混合エキスパート)構成で、総パラメータに対して1トークンあたりに活性化するパラメータを抑えている。GLM-4.5は355Bの総パラメータに対し32B、GLM-4.5-Airは106Bに対し12Bが活性化する。 GLM-5では744B・40Bへ規模を拡大し、DeepSeek Sparse Attention(DSA)を採用して長文のコンテキストを保ちながら推論コストを抑えた。事前学習データはGLM-4.5の23兆トークンから28.5兆トークンへ増やされている。 GLM-5.2では1Mトークンのコンテキストに対応し、4層ごとに同じindexerを共有するIndexShareを導入して1Mコンテキストでの1トークンあたりFLOPsを2.9分の1に削減した。MTP層も改良し、投機的デコーディングの受理長を最大20%伸ばしている。 GLM-5.3-Flashは新たに学習したベースモデルを使い、疎注意と線形注意のハイブリッド構成にManifold-Constrained Hyper-Connections(mHC)を組み合わせた。30兆トークンのマルチモーダル事前学習コーパスを用いている。 ポストトレーニングではslimeという非同期RL基盤を自前で開発し、学習のスループットを高めて反復回数を増やしている。

ワークフロー

APIはZ.ai API Platform(docs.z.ai)で提供され、チャットはchat.z.ai、中国国内はBigModelのプラットフォーム(bigmodel.cn)経由で利用できる。 重みはHugging Faceのzai-org organizationで公開されており、MITライセンスで商用利用と二次配布が可能。 ローカル実行はvLLMとSGLangのcookbook(recipes)が整備されており、GLM-5.3-FlashはKTransformersやUnslothにも対応する。HuaweiのAscend NPUプラットフォームにもvLLM-AscendやxLLMで対応している。 推論予算はreasoning_effortで調整でき、GLM-5.3とGLM-5.3-Flashはlow/high/maxの3段階、GLM-5.2はhighとmaxに対応する。

コード例

OpenAI互換APIでGLM-5.3を呼び出す

import os

from openai import OpenAI

client = OpenAI(
    api_key=os.environ["ZAI_API_KEY"],
    base_url="https://api.z.ai/api/paas/v4/",
)

response = client.chat.completions.create(
    model="glm-5.3",
    reasoning_effort="high",
    messages=[{"role": "user", "content": "GLM-5.3の推論予算はどう設定しますか。"}],
)
print(response.choices[0].message.content)

curlでchat completionsを呼ぶ

curl https://api.z.ai/api/paas/v4/chat/completions \
  --header "Authorization: Bearer $ZAI_API_KEY" \
  --header "Content-Type: application/json" \
  --data '{
    "model": "glm-5.3",
    "messages": [{"role": "user", "content": "Introduce GLM-5.3 in one sentence."}]
  }'

利点

  • GLM-4.5以降はMITライセンスで公開されており、商用利用や二次配布、改変を含む派生モデルの作成が可能
  • GLM-4.5は355B・32B、GLM-5は744B・40Bと、MoEで活性パラメータを抑えながら規模を拡大している
  • GLM-5.2以降は1Mトークンのコンテキストに対応し、長時間続くエージェント作業の記録を扱える
  • GLM-5.3はTerminal Bench 3.0で28.3、CyberGymで84.5など、コーディングとセキュリティのベンチマークで高い結果を出している
  • GLM-5.3-Flashは320B・18Bでネイティブマルチモーダルに対応し、同一シリーズの中で価格も抑えられる

欠点

  • 総パラメータが大きく、GLM-5は744B、GLM-5.3-Flashでも320Bのため、セルフホストには複数GPUを要する
  • GLM-4.6以前とGLM-4.5以降でライセンスが変わっており、旧モデルの利用条件を確認する手間がある
  • 日本語に関する評価は中国語圏や英語圏のベンチマークほど公開されておらず、別途の検証が要る
  • 中国国内の規制に沿った出力制御が組み込まれており、特定の政治的話題に関する回答には制限がかかる

比較

  • DeepSeek — DeepSeekとGLMはいずれも中国発のオープンウェイトMoEモデルで、MITライセンスで公開されている。DeepSeekは汎用LLMとしての評価軸、GLMはエージェント型のコーディング作業に軸足を置いている
  • Qwen — QwenとGLMはいずれも中国発のMITライセンスのオープンウェイトLLMで、最上位モデルはQwen3.8が2.4T、GLM-5が744Bと規模が異なる。Qwenが言語対応幅と用途別の派生モデルで、GLMがMoEの階層とエージェント性能で特徴を持つ
  • Kimi — Kimi K3が2.8T・104B、GLM-5.3が744B・40Bと、いずれも1Mトークンのコンテキストを扱う大型MoE。KimiはネイティブマルチモーダルとAgent Swarm、GLMはインデックス共有による長文のコスト削減に特徴がある
  • MoE — GLM-4.5以降は総パラメータに対して1トークンあたりの活性パラメータを小さく保つMoEで、GLM-4.5が355B/32B、GLM-5が744B/40B

関連する用語

DeepSeekQwenKimiLongCatLagunaMoE推論モデルLlamaMistralPhiGemmaOrnith

よくある質問

GLMのモデルを商用の目的で使うことは可能か。

GLM-4.5以降はMITライセンスで公開されており、商用利用や二次配布、改変を含む派生モデルの作成が可能。 GLM-4.6以前など古いモデルには別のライセンスが適用されるため、利用前に確認する。

GLM-5.3とGLM-5.2の違いは。

ベースモデルは同じで、GLM-5.3はポストトレーニングの刷新によって複雑なコーディングと長時間タスクの性能を伸ばしたモデル。 GLM-5.3はTerminal Bench 3.0で28.3、DeepSWEで66.9を報告している。

どのモデルを選べばよいか。

長い推論の予算が要る長時間作業ならGLM-5.2以降が候補になる。 画像や動画も入力したい場合はGLM-5.3-Flashが対象で、総パラメータ320B・活性18Bで、GLM-5.3と比べて低いコストで動く。

GLMの推論量はどのように制御するか。

リクエストのreasoning_effortで思考予算を指定する。 GLM-5.3とGLM-5.3-Flashはlow/high/maxの3段階、GLM-5.2はhighとmaxの2段階で、既定値はmax。

参考文献