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モデル

T5とは

Text-to-Text Transfer Transformer

あらゆる自然言語処理タスクをテキスト入力からテキスト出力への変換として統一的に扱うGoogleのエンコーダ・デコーダ型言語モデル

LLMGoogle事前学習

ひとことで言うと

翻訳・要約・分類など種類の異なるタスクをすべて「テキストを入力してテキストを出力する」形式に統一し、1つの枠組みで扱えるようにしたGoogleの言語モデル。

概要

T5(Text-to-Text Transfer Transformer)とは、翻訳・要約・分類・質問応答などあらゆる自然言語処理タスクをテキスト入力からテキスト出力への変換として統一的に扱うGoogleの言語モデルを指す。 各タスクの入力先頭に「translate English to German:」のようなプレフィックスを付与することで、タスクごとに異なるモデル構造やヘッドを用意せずとも、単一のエンコーダデコーダTransformerで多様なタスクを処理できるようにした。 事前学習にはWebクロールデータを大規模にクリーニングしたC4(Colossal Clean Crawled Corpus)を用い、モデル規模やデータ量、事前学習手法などの設計選択を体系的に比較した実験結果も合わせて報告された。 BERTのようなエンコーダのみ、GPTのようなデコーダのみのモデルと異なり、標準的なエンコーダデコーダ構成を採用しており、その後のFlan-T5等の指示チューニング済み派生モデルの土台にもなっている。

歴史

2019年10月にGoogleの研究者ら(Raffelら)が論文「Exploring the Limits of Transfer Learning with a Unified Text-to-Text Transformer」で発表した。

アーキテクチャ

標準的なエンコーダデコーダTransformerを採用する。エンコーダが入力テキストを処理して文脈表現を生成し、デコーダがその表現を参照しながら出力テキストを自己回帰的に生成する。あらゆるタスクの入力と出力を「テキストからテキストへ」という共通形式に統一しているため、分類タスクの出力もラベルを表す単語列として生成する。

ワークフロー

入力テキストの先頭にタスクを示すプレフィックス(例: “summarize:”)を付与する → エンコーダが入力全体を処理し文脈表現を得る → デコーダがその表現を参照しながら出力テキストを生成する。生成されたテキストをそのままタスクの出力として扱う。

利点

  • タスクごとに異なるモデル構造やヘッドを用意せず、単一のモデルと学習フレームワークで多様なタスクを扱える
  • テキスト生成として出力を統一しているため、新しいタスクへの拡張が入力プレフィックスの追加だけで済みやすい
  • C4データセットの構築や事前学習手法の比較実験など、後続研究が参照する体系的な知見を提供した

欠点

  • デコーダのみのモデルに比べ、少数ショットでの汎用的な対話・生成能力では近年のLLMに劣る場合がある
  • エンコーダデコーダ両方を持つ分、同規模のデコーダのみモデルより推論時の計算コストが大きくなりやすい
  • タスクごとのプレフィックス設計に依存するため、プレフィックスの設計次第で性能が変わる

比較

  • GPTGPTがデコーダのみで自己回帰的にテキストを生成するのに対し、T5はエンコーダ・デコーダ構成で入力全体を先に文脈化してから出力を生成する
  • BERTBERTがエンコーダのみで文の理解(分類等)に特化するのに対し、T5はエンコーダ・デコーダで理解と生成の両方をテキスト生成として統一的に扱う

関連用語

TransformerGPTBERT

よくある質問

T5とBERT・GPTの違いは?

BERTエンコーダのみで文の理解タスクに特化し、GPTデコーダのみで自己回帰的なテキスト生成に特化する。T5はエンコーダデコーダの両方を持ち、理解系・生成系を問わずあらゆるタスクをテキスト入力からテキスト出力への変換として統一的に扱う。

参考文献