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インフラ

OpenArmとは

Enacticが開発する、フルオープンソースの双腕ヒューマノイドロボットアーム。接触の多い環境での物理AI研究向けに設計されている

ハードウェア自律システム

ひとことで言うと

人間の腕のように動く、設計図から制御ソフトまで公開されたロボットアーム。ロボットに動作をデータから学習させる研究に使われる。

概要

OpenArmは、東京のEnactic, Inc.が開発するフルオープンソースの双腕ヒューマノイドロボットアーム。物理AI(Physical AI)研究や、物体との接触を伴う操作(contact-rich manipulation)への実運用を想定して設計されており、CAD・ファームウェア・制御コード・シミュレーションツール一式が公開されている。関節はコンプライアント(柔軟性を持つ)かつバックドライバブル(外力によって逆駆動できる)な設計で、リアルタイムの重力補償と双方向の力覚フィードバックにより、人間らしい滑らかなテレオペレーション(遠隔操作)と接触を伴うデータ収集を可能にする。モーター制御にはCAN-FDを使い、ROS 2向けのパッケージ(カメラ統合、ハードウェアの立ち上げ、MoveIt2)やHugging FaceLeRobotとの統合も提供される。DIYキットまたは完成品として入手でき、公開当初は双腕1式で約6,500ドルという価格が示されていた。

背景

物理AI・ヒューマノイドロボットの研究では、実機での操作データ収集や手法の再現に使えるロボットアームが、非公開または高価であることが障壁となっていた。OpenArmは、設計・制御ソフトウェアを含め研究成果を再現しやすい形で公開すること(サイト上のキャッチコピーは「Making SOTA reproducible」)を掲げ、比較的低コストな研究グレードのハードウェアとして開発された。

歴史

Enactic, Inc.は、Reazon Holdingsの社内研究開発部門Human Interaction Labからスピンアウトする形で、共同創業者兼CEOのHiroto Yamamotoにより2025年に東京で設立された。2025年2月にOpenArmの最初のベータ版が公開され、同年7月23日に正式公開された。その後、後継版のOpenArm 2.0が発表されている。

アーキテクチャ

双腕構成で片腕あたり7自由度(7-DOF)を持ち、コンプライアントかつバックドライバブルな関節にリアルタイムの重力補償と双方向の力覚フィードバックを組み合わせることで、接触を伴う操作の遠隔操作・データ収集に対応する。モーター制御にはCAN-FDとSocketCANドライバを用いる。ソフトウェア面ではROS 2向けパッケージ(カメラ統合、ハードウェアの立ち上げ、MoveIt2によるモーションプランニング)とHugging FaceLeRobot統合が提供される。後継として、同じ運動学構造を持つ受動型(無アクチュエータ)の肩掛け型ティーチングデバイス「OpenArm KER」も発表されているが、2026年8月時点では未リリース。

利点

  • CAD・ファームウェア・制御コード・シミュレーションツールが一式公開されており、研究成果の再現や独自の改造がしやすい
  • コンプライアントかつバックドライバブルな関節と双方向の力覚フィードバックにより、接触を伴う操作の遠隔操作・データ収集に向く
  • ROS 2向けパッケージとLeRobot統合が提供されており、既存のロボット学習・制御エコシステムに組み込みやすい

欠点

  • 完成品でも双腕1式で数千ドル規模の費用がかかり、DIYキットの場合は組み立ての手間もかかる
  • 比較的新しいプロジェクトであり、対応ハードウェアやコミュニティの事例はまだ発展途上にある
  • CAN-FDやROS 2といった前提知識が必要で、導入の学習コストは低くない

比較

  • ROS2ROS2はOpenArmが利用するロボット向け通信ミドルウェアであり、OpenArmはその上でカメラ統合やMoveIt2連携用のROS 2パッケージを提供するハードウェア側という関係にある
  • LeRobotLeRobotがロボット学習向けのソフトウェアライブラリであるのに対し、OpenArmはLeRobotにネイティブ対応するハードウェア(双腕ヒューマノイドアーム)という違いがある

関連用語

ROS2LeRobot

参考文献