AGIとは
Artificial General Intelligence / 汎用人工知能
特定のタスクに限定されず、人間が行える幅広い知的タスクを人間と同等以上に遂行できるAIの概念
ひとことで言うと
将棋だけ、翻訳だけ、のような特定の得意分野に限らず、人間ができる知的な仕事全般を人間並み以上にこなせるAIのこと。まだ実現しておらず、定義にも幅がある。
概要
AGI(Artificial General Intelligence、汎用人工知能)とは、特定のタスクに限定されず、人間が行える幅広い知的タスクを人間と同等以上に遂行できるAIの概念を指す。 画像認識や翻訳など個別のタスクに特化した従来のAI(narrow AI)と対比される言葉で、未知の課題への適応、分野をまたぐ知識の転用、自律的な学習といった汎用性が要件として語られる。 ただし合意された厳密な定義はなく、「大半の経済的に価値ある仕事で人間を上回る」といった経済的定義から、認知能力の網羅性を求める定義まで幅がある。到達判定の基準も定まっていない。 LLMの能力向上に伴い、AGIの実現時期・定義・評価方法がAI企業や研究者の間で議論の中心になっており、アライメントやAI安全性の研究もAGIの実現を見据えた文脈で語られることが多い。
背景
AI研究の初期から人間並みの汎用知能は目標として語られてきたが、実際に発展したのは特定タスクに特化したAIだった。 特化型AIの成功と区別して本来の目標を指す言葉が必要とされ、AGIという用語が使われるようになった。近年はフロンティアモデルの汎用的な能力向上により、遠い理想ではなく到達可能性を議論する対象へと位置づけが変わりつつある。
歴史
「Artificial General Intelligence」という用語は、1997年にMark Gubrudが論文で用いた例が早期のものとして知られる。2000年代半ばにShane LeggやBen Goertzelらがこの名称を採用し、2007年出版の同名の論文集などを通じて、特化型AIと対比する言葉として定着した。
利点
- 実現すれば、専用のAIを個別に開発することなく、幅広い知的作業を単一のシステムに任せられる可能性がある
- 未知の課題への適応力を持つとされ、事前に想定していなかった問題の解決にも応用できると期待されている
欠点
- 厳密な定義や到達判定の基準が定まっていないため、実現時期や現状の到達度について議論が収束しにくい
- 人間を超える汎用的な能力を持つAIの制御可能性やアライメントの確保が、実現前から重要な課題として指摘されている
- 労働市場や社会構造への影響が大きいと想定され、実現の是非や進め方自体が政策・倫理面の論点になっている
比較
- LLM — LLMは現存する技術としてのモデルを指すのに対し、AGIは到達目標としての概念を指す。LLMの汎用性がAGIへの経路になるかどうかは見解が分かれている
関連用語
よくある質問
AGIとASIの違いは?
AGIが人間と同等程度の汎用的な知的能力を指すのに対し、ASI(Artificial Superintelligence、人工超知能)はほぼすべての領域で人類全体の知的能力を大きく上回る段階を指す言葉として使われる。ASIはAGIのさらに先の概念と位置づけられることが多い。
AGIはいつ実現するのか?
研究者やAI企業の間でも予測は数年以内から数十年以上まで大きく分かれており、そもそも定義と判定基準が定まっていないため、確立された見通しは存在しない。