EU AI法とは
EU AI Act / AI Act / 欧州AI規制法
AIの用途をリスクで分類して禁止や義務を定める、EUによる包括的なAI規制法
ひとことで言うと
EUが作った世界初の本格的なAI規制の法律。危険度に応じてAIの使い方を分類し、禁止や義務を定める。EU外の企業にも適用される。
概要
EU AI法(EU AI Act)とは、EUが制定した、AIシステムを包括的に規制する法律を指す。 AIの用途をリスクの大きさで分類し、社会的スコアリングなどの許容できないリスクの用途を禁止する。雇用・与信・法執行などの高リスク用途には、適合性評価や透明性の義務を課すリスクベースのアプローチを採る。 GPTのような汎用AIモデル(GPAI)の提供者にも、技術文書の作成や学習データの概要開示などの義務を定めた。 EU域外の企業でもEU市場へAIを提供する場合は適用対象となり、違反には売上高に応じた制裁金が科されるため、世界のAI開発企業へ影響する規制として注目されている。
歴史
2021年4月に欧州委員会が法案を提案し、2024年に成立して同年8月に発効した。禁止規定や汎用AIへの義務は2025年から、規制の大部分は2026年8月から段階的に適用される。
利点
- リスクに応じた規制により、高リスク用途における透明性・安全性の底上げが期待できる
- 域内で統一されたルールを設けることで、企業が国ごとに異なる規制へ個別対応する負担を減らせる
欠点
- 適合性評価や文書化などの義務が、スタートアップを含む開発者に重い遵守コストを課す
- 汎用AIモデルの急速な進化に、規制の運用が追いつくかは不透明な部分がある
関連用語
よくある質問
EU AI法はEU域外の企業にも適用されるか。
適用される。EU市場でAIシステムを提供したり、その出力がEU域内で利用されたりする場合、提供者の所在地に関わらず規制の対象になり得る。
違反した場合はどうなるか。
禁止された用途への違反などには、企業の売上高に応じた高額な制裁金を科す仕組みが定められている。